あなたの脳と上手につき合うために知っておくべき基本のキ
「脳のトリセツ」シリーズでは、脳が働く仕組みを知って、それを上手に生かす方法や、脳を元気に健やかに保つ方法などについて書いています。
いわゆる脳のノウハウ。より効果的な使い方と、そのためのメンテナンス法などです。
瞑想指導者として学んできた自分の体験・体感・実感をもとにテーマを選んでいますので、巷でよく見かけるようなどこかから知識を借りてきただけの記事とは一味ちがう内容になっていると思います。
この記事でお伝えするのは、それらの大前提になるものについてです。
つまり、そもそもここを押さえておかないと、せっかくのノウハウも活かせない。そんな土台になる部分。脳と仲良く付き合うための基本のキです。
脳には一日の活動リズムがある
体内時計という言葉、見たり聞いたりしたことがあるかと思います。
サーカディアンリズムとも言います。
ご存じのように人の身体の生理は、おおよそ1日のリズムに合わせて変化するようにセットされています。
日中は活動的に、夜間は休息するように、ホルモン分泌などが自然と調整されています。(考えてみたら、すごいですね!)
そして当然ですが、この生体リズムは脳のパフォーマンスにも関係します。
つまり、一日のうちの時間帯によって脳の覚醒度が変化します。
脳が元気な時間帯は?
ざっくりとですが───
夜21時から朝6時頃までは覚醒度は低いです。
朝4~5時あたりが最低。
そこから9時頃にかけて覚醒度が急上昇。
その後は夜までおおむね高覚醒度をキープし、21時頃から再び一気に下降する。
わたしたちの脳は、だいたいこういうリズムで活動しているのだそうです。
日中の高レベルの間でも揺れ動きはあります。
覚醒の最高のピークは昼の12時前後。そこから15時あたりにかけていったん少し下がりますが、夕方からは再浮上し、そのまま夜まで、そこそこのレベルをキープします。
つまり脳には、一日の高覚醒時間帯の中に二つのピークがあるということです。
午前中は仕事が捗るものです。頭もビンビン冴えています。
元気に一仕事片づけ終わるあたりが、ちょうど午前中のピークを越える頃。
そしてその後、レベルダウン。
これは誰しも思い当たるはず。
昼食の後から14時頃にかけての時間帯は無性に眠気の襲ってくるタイミングですよね。
ランチの消化に血液が使われるからとよく言われますが、そもそも脳の生理のリズムだと考えると納得できます。
そして午後3時のコーヒーブレイク後、脳はまたまた元気を取り戻します。
脳のリズムには誰も逆らえない
この後半のハイレベルが夜21時頃まで続くというのが、ちょっと驚きでした。
でも、自分のいつもの活動パターンを時間を追って見直してみると、ピッタリ当てハマるんです。
午前中(ランチ前の時間)はもちろんハイパフォーマンスです。ランチの後は眠いし、気持ちもダラダラしてしまいます。ああ、いけない、いけない、もうちょっと仕事を進めなくちゃ、と思ってデスクに向かう。
そこから、不思議と調子が出ることが意外と多いんですよね。
気が付くと19時過ぎていたりして(^^;)
日によって、あるいは、仕事によっては、その勢いのまま、もう1~2時間がんばっちゃうこともあります。
お腹が空きすぎて、さすがにそこでやめますが(笑)
夕食の後はもうダメですね。
どうやっておだてても集中は戻ってきません。
リズムを知れば脳も応えてくれる
ところで、わたしは典型的な「宵っ張りの朝寝坊タイプ」。だから、普通に考えると体内時計が狂っているはずなんです。
でも、この脳の覚醒度については基本パターンの通りになっています。
モノの本によりますと、そういうモノなんだそうです。フシギですね。
この脳の一日の覚醒リズムを無視して活動すると、当然パフォーマンスは上がりません。
これは、身体の生理です。気合で変えられるものではありませんから。
脳の生理に合わせたほうが、効率が良くて省エネにもなって、かつ、結果もいい、ということになります。
ムリなことばかりさせてしまうと脳は早く疲弊してしまいます。
一度疲れてしまった脳を復活させるのには、それ相応の時間がかかるのだそうですよ。
ですから、上手に大事に付き合うことが、結局は一番効果の上がるやり方ということですね。
あなたの一日はどうですか?
脳のリズム、感じていますか?