「恋」と変性意識の深い関係

脳のトリセツ

「変性意識」という言葉、よく耳にしたことありませんか?
よく聞くけど、なんだかよく分からない?
実は、恋しているときってまさに「変性意識状態」なんですよ。

「恋」とは変性意識状態のことです

恋したこと、ありますよね?

誰かにときめいて、頭の中はいつもその人のことでいっぱい。
勉強も仕事も手に着かなくて、気がつくとぼう~っと夢見心地。

いつもと同じ駅までの道なのに、なぜかいつもと違って見える。
普段は空なんて見上げたこともないのに、空を見上げて雲がキレイだな~なんて呟く自分がいたり。
あるいは風に枯れ葉が舞うのを見て、胸がキュンと切なくなったり・・・

こんな経験、誰もが一度はしているんじゃないでしょうか。

そういう時にはなぜか、いつもと変わらぬ日常が違って見える。
現実感がないというか、どこかフワフワしていて、たとえば薄いヴェール越しに触っているかのような。
あるいは、窓越しに眺めているかのような。どこか心もとないリアリティのなさ。
思い返してみると、そんな感覚を覚えたこと、あると思うんですよ。

夢から目覚めた直後もそうですよね。
一瞬、自分がどこにいるのかわからなくなったり、夢の中の現実と、目の前の現実のギャップにひどく混乱したり。

恋に夢中な時も夢の名残りの中にいる時も、同じような浮遊感と言うか、目の前の現実と自分の感覚のギャップを強く感じることがあります。

これがいわゆる「変性意識状態」にある時の感覚なんですよと言ったら、驚きますか?

変性意識ってなに?

よく耳にする「変性意識」って何なのでしょう。

「変性意識状態」とは日常的な意識状態以外の意識状態のことである。
-Wikipediaよりー

物事を「いつもと変わらぬ日常」としてみている時が通常の意識状態。
それとは違う状態にあるのが変性意識状態、ということです。

でも、実は、私たちの日常意識というのも、本当の意味では現実をありのままに捉えているわけではないんです。
脳が一度記憶した物事に対するイメージを再現して「そうである」と思い込んでいるだけに過ぎません。

たとえば、家の中にあるモノ、いちいちこれは「テーブルである」とか、「椅子である」とか考えないでしょ?
でももし、よその場所で、見慣れない形をした椅子が置かれていたら、「え、これってなんだろう、椅子?座っていいのかな?」と、ちょっと考えてしまいますよね。
でも、一度そう言うことがあって「これは座るための椅子なのだ」と知ったら、次にそれを見た時にはもう、なにも不思議に思わず、考えもせずに「無意識に」座っていると思うんです。

これが、わたしたちが「現実」と考えている「日常意識の正体」です。

つまり、脳はいちいち改めて観察もしていないし、判断もしていない、ということ。
一度「こういうものだ」と認識したら、そういうものとしてしか見ない―――というか、「あ、これはあれね」と判断して、意識にも上げないっていうことです。

わたしたちは普段、こうやって、本当はつねに変化し続けている現実を、あたかもなにも変化しないものであるかのように「錯覚して」生きているのです。

恋が新しい世界を教えてくれる

だから、ちょっと意識のモードが変わった時に、つまり、日常意識が揺らいだ時に、いつもと同じ風景の中に、違うものが見えたり、違うように感じたりするわけです。

逆の見方から言うと、恋に夢中な時はあばたもエクボで、なにもかもがステキに見えていた彼なのに、熱が冷めてくるとイヤなところが見えて来る―――そういうこと。
でもどちらの彼も現実なんです。彼自身は変わってない。どちらかに嘘があるわけじゃない。
ただ、あなたが「そう見ている」だけの違いです。

同じ出来事でも捉え方が違えば、ラッキーにもなるし、ガッカリなことにもなりますよね。
人の性格だって、長所は短所の裏返しと言われます。

つまり、起きていること、そのものの有り様は同じでも、どう見るか(=どんな意識状態にいるか)で、受け取る印象は変わるのだ、ということです。

引き寄せを意図的に起こす意識状態とは

変性意識の作用を上手に使ったのが、いわゆる「引き寄せの法則」ですね。

自分の望むものを常に心にイメージしていると、それに見合ったものが目に飛び込んでくるし、どのような物事であっても、そういう見方で捉えることができるわけです。
自分の望むものが見えるから、それにふさわしい行動ができて、さらに望ましい現実が起きて来る、というシステムですね。

そうは言っても、恋の場合は否応なく落ちるものだから、自分で意図的にその状態を作ることはむずかしいし、コントロールすることも難しい。

でも、たとえば瞑想を使って変性意識状態(この場合はトランス状態と言います)を意図的に作って、自分の望みの意識世界を選択的に生きていく、ということはできます。
できます、というよりも、現代の瞑想はそうやって活用するのがふさわしいと思っています。

自分の意識状態は自分でコントロールできるんです。そのメカニズムと方法さえ理解し体得すれば。
そういう目的意識を持って、瞑想を続けていけば、誰にでもそれが可能になります。