初めての挑戦を成功させた5つの秘訣

人生ナビな日々

先日、生まれて初めてプレゼンテーションをやりました。
それも50人もの聴衆の前で!

それまでプレゼンなんて見たこともなく、パワポの使い方も知らなかったわたしでした。
が、結果から言いますと―――大成功でした。

何も知らないわたしがプレゼンを無事に成功させるまでの間に学んだヒケツをまとめてみました。

プレゼン2

ゼロからなにかを始めるにはまず「知る」ことから

会社ではずっとバックオフィスだったので、たとえばビジネスで人がプレゼンするのを実際に見たことなんてない。
必要がないからパワポに触ったこともない。
そもそも経理担当だったわたしのパソコンにはパワポは入ってさえいませんでした(-_-;)
つまり、まったくの無い無いづくし、ゼロからのスタート。

さて、どうしようか?

そもそもプレゼンってなに?というレベルです。
なので「プレゼンとは?」を知ることが初めの一歩。

その時ちょうど、ほんとにたまたまなんですが、手元にこんな本がありました。

「スティーブ・ジョブズ驚異のプレゼン」
(カーマイン・ガロ著、日経BP社刊)

人に何かを伝えることをしているなら、この本は一度は読むべきだ、そう先輩に言われて手にして、寝かせたままにしていた本。

いくらプレゼンに無知な私でも、今は亡きジョブズがプレゼンの名手であったことぐらいは聞き及んでいました。
それでようやく、プレゼン発表日のわずか5日前(汗!)に、この本に目を通して見たんです。

驚きました!
ほんとにビックリしました。
え~~っ、プレゼンってそういうものだったの!?

その本には、わたしがそれまでに、だいたいこんな内容でいいかな~とイメージしていたことと、まったく違うことが書かれていたのです。

驚き、そして、ワクワクしました。
情報を伝えることが目的じゃないんだ。
聞く人に、自分の夢を語り、共有してもらうことがプレゼンなんだ。
少なくとも、わたしはそう受け取ったのです。

すごい人から学んでみる

それまでにぼんやりと描いていたプランはここで全部白紙へ。
わたしが考えていたのは単なる商品説明、情報の羅列に過ぎませんでした。
でも、プレゼンで目指すべきなのは、自分が提供する商品やサービスによって、どんな夢が手に入れられるのかを伝えること。

そのために、伝えたいものや想いを全部書き出す、という作業からもう一度始めました。

そもそもの目的はなんなのか。
何のためのプレゼンなのか。
そのプレゼンによって、どんな結果がほしいのか。

これらをじっくりと考えることで、プレゼンで語るべきことが明確に見えてきたのです。

プレゼンに与えられている時間はわずか3分。
その3分で何を伝えることが出来るのか?
絞り込むためには、目的がハッキリしていることが必須です。
目指すものがハッキリと分かっていれば、余分な飾りや脱線している部分、広げ過ぎている部分が見えてきて、削り落とすことができます。

そして、厳しく削り込んで削ぎ落して、純度を高めたものの方が、聞く人の心に強く響くのです。
それがジョブズのしていたことでした。

たたき台を作ってから徹底して絞り込む作業、これに全体の7割、いいえ、それ以上の時間とエネルギーを注ぎました。これもジョブズがしていたことです。

目的にフォーカスすれば自意識は消える

そうやって当日の朝にようやくスライドまで完成。
でもリハーサルをする時間がほとんどとれず、会場に向かう電車の中で、時計を見ながら一人でブツブツと練習してました。

そしていざ本番。

プレゼン1

初めてのことだし、一発勝負なので緊張はしました。
写真を見るまでもなく、表情が固い・・・(笑)
でも、あがるっていうのは、なかったんです。

音楽ライブの時はムチャクチャあがって、指も足も震えて、頭の中真っ白!になるのに、自分でも不思議なぐらい、意識しっかりしていました。

なぜなんだろうと考えてみて気づいたのは、プレゼンの間、ただただ目的だけにフォーカスしていた、ということ。

イメージ通りにプレゼンを進めること。設定した目標を達成すること。
それだけを考えていたので、自分自身のことは何にも考えていなかったんです。
うまくいくかな、なんていう心配もしていなかった。
ただ無心に「結果を取りに行って」いた感じ。
結果にコミットすると、ヘンな自意識は消えてなくなるんですね。

出来ている人のイメージを脳内にインストール

そうするために、イメージ作りはしていました。
つまり、プレゼンの名手スティーブ・ジョブズを降臨させること。
彼のイメージを着る、ということです。
なので、当日選んだ服はもちろん、黒のタートルとジーンズ!
なんといってもこれがジョブズ・スタイルですから。

こういうことって、気分なのだけど、効き目あるんですよ。
自分がやろうとしていることを上手にやっている人、エキスパート、成功している人のイメージを自分の中に刷り込むんです。いい意味での自己洗脳。脳内インストール。

これ実は、瞑想で使う技のひとつなんです。
自分を変えるのではなくて「すでに自分が望む状態になっている人」をありありとイメージして、自分の意識の中に取り込んでしまうんですね。
そうすることで、今の自分のままで、自分を変えることなく「なりたい状態になれる」わけです。その人を演じている、と考えてもいいですね。

準備と結果はイコールだと知る

何かをする時、準備したことはその通り結果になります。
もし思うような結果が手に入らなかったとしたら、それは準備が足りなかったということです。

このプレゼンは、「好きを仕事にする大人塾かさこ塾」という勉強会で最後に出された課題でした。


一人一人のプレゼンに対して、出席者全員(この日は約50名)からフィードバックのコメントがもらえます。
受け手の反応がその場でハッキリとわかるのは、最高の勉強になります。

さて、いただいたコメントからわかったこの日のプレゼンの目標達成率は、なんと90%!
つまり、9割の人から、わたしが「こう受け取ってほしい」と意図した通りのコメントを頂けたのです。

プレゼンのパフォーマンス自体は、せいぜい60~70点といったところ。
一番最後に説明するつもりだったことが、タイムオーバーで語り切れずに尻切れトンボになってしまうなど、「足りない」部分はいくつもありました。
でも、もっとも大事にした部分、一番伝えたいことをちゃんと伝えることが出来たので、十分に成功だったと思っています。

そして「結果にコミットする」「目的にフォーカスする」ことからブレずにいると、時にありがちな的外れかなと思われるような批判を受け取っても、それに心を乱されずにいられます。
自分では気づけなかったことを指摘してもらえたらなら、そこからさらにグレードアップできるので、感謝して受け取ることも出来ます。

意識の矛先をどこに向けるか。
一つのことをやり終えた時、そこからさらに成長できるかどうかは、目的や意図を意識して行動してきたかどうか、なんですね。

今できる100%を

今回の人生初プレゼン体験。ひさびさに胃の痛くなる思いをしましたが、プレッシャーは初めての事へのチャレンジを後押ししてくれる相棒です。

完璧を目指すけれど、完璧にできなくていい
今できる100%をやり切る。
それがたとえ「完璧」な姿のほんの10%に過ぎなかったとしても、今できることをやり尽くせば、その10%がやがては20%へ、さらに先へと伸びていく。

幾つになっても、人生をどれだけ長く生きて来ても、「生まれて初めての経験」はあります。
チャレンジすることは自分を成長させること。恐れることなんてないのです。
100%の今の自分を楽しみながら、新たな一歩を進んでいきましょう。


※プレゼン写真撮影:よしだひろふみ氏