脳は使っていないところから錆びていく!

脳のトリセツ

大人の脳は歳を取るほどに衰える!?

これは真実でしょうか?
間違いでしょうか?

その答えは───

YESであり、NOである。
真実であり、間違いでもある。


禅問答みたいですが、そうなんですよ。

確かに大人になると、子供の頃のように勝手になんでも覚えられるということは減っていきますよね。でも、それは、子供の脳が成長期にあるから。

大人脳は成長するのではなく成熟させるものなんです。

脳は、働かせていないと、どんどん衰えていきます

脳の中は、無数の神経細胞が回路でつながり、それが多種多様の活動を担っています。

神経回路は踏み跡に似ていて、よく使うものは太くなり、使わないものはどんどん細くなる。そのまま使わずにいるとやがて休眠状態になるのだそうです。

これが俗に言うところの「ボケ」。
「脳の働きが衰えてきた」と感じる状態です。

(注)ここでいう「ボケ」は、認知症による病変や、脳血管障害によって脳細胞にダメージを受けた場合とは区別して考えてください。

たとえば───

  • 物忘れが増えた
  • 名前を覚えられなくなった
  • 言いたかったことを忘れてしまう
  • 集中ができない
  • 考えがうまくまとまらない

大人になれば、誰にでもありがちなことですよね。

これらは、思考が止まって、言葉に詰まる状態。
言うならば“脳のフリーズ”です。

うわっ、あるある!と思いました?
でも、心配しないでくださいね。

脳を成熟させるには

ヒトの脳は、いくつになっても成熟する可能性を持っていることがわかっています。
これを、脳の可塑性といいます。

でも、だからと言って、ほったらかしでは成熟しません。
ワインやお味噌ではないので、寝かせるほどに美味しくなるわけではありません。残念ながら。

それどころか、脳は使わないところからサビていきます。

つまりボケというのは、脳の使い方が偏っているために使われていない回路が多くなった状態のことだと言えそうです。


だから、脳を元気にしておきたいなら脳をたくさん使うこと!

なのですが、仕事ばかりしているのは逆効果
それではいつも同じ回路しか使われず、偏りが強化されます。

働き過ぎももちろんダメ。
脳が疲弊して、かえって物忘れがひどくなったり、身体コントロールがギクシャクしたりなどボケと似た状態を引き起こします。

脳をいつまでも活発で成熟させるのに大事なポイントは、とにかくまんべんなく全体的に脳を使うことに尽きるようです。

今は、電子機器にすっかり依存して何事にも便利になりましたよね。
そのために、現代人は頭も身体も動かさなくなっています。

手・足・口は、脳が命じない限り動きません(勝手に動いたら怖いです)。
身体を積極的に動かすことは、脳の使い方の偏りを減らすことになります。

その点から見直してみると、実は、日常的な家事や雑用って最高の脳トレなんです。

いつまでも若々しい脳でいたいなら

家事や雑用・雑務では、まず自分の手足を使い、あれこれ工夫しながら行います。
つまり、脳を広範囲に使っているんです。

スケジュール管理や、書類整理などの雑務。
掃除、洗濯、炊事、買い物。
ペットの世話や庭木の手入れ。

散歩など身体を動かすことはもちろん、雑談、おしゃべりも立派な脳トレです。

手・足・口を動かす作業が脳にまんべんなく刺激を与え、多くの神経回路を活性化してくれます。
毎日どこでも誰でもできる超簡単な脳トレです。しかも、実益性が高い!

まさに一挙両得ですね(^^)

そして「人生ナビ」流に言い換えるならば、最高の脳トレとは人生をまるごと100%楽しむこと!

どうやらそれがいくつになっても健やかな脳であり続けるためのポイントのようです。